シミ取りが皮膚科で保険適用されるか調べる女性
シミ取りしたいけど、皮膚科でやってくれるのかな?
美容外科とかのほうがいいのかな…
なるべく安く抑えたいんだけど…そもそも保険適用されるのかな…
このようにお悩みではありませんか?
シミの治療は皮膚科でも美容外科でも可能です。
ただし、ほとんどのシミ取りは保険適用されないと考えて下さい。
では、どんなシミなら保険適用になるのか気になりますよね。
そこで今回は以下の内容を解説します。
- 一般的なシミの種類
- シミ取り施術の種類や費用相場
- 保険適用されるシミとは
- シミ取りの副作用や施術後に気をつけること
シミの治療はお肌の健康管理になりますし、なにより素肌に自信が持てるようにもなり心が軽くなります。
シミ取り施術の内容を理解して、治療を検討してみてくださいね。
編集部
目次
シミの種類
シミは多くの人々が抱える肌悩みの一つであり、その発症原因や出現箇所はさまざまです。
また、シミの種類により適した治療法が異なります。
まずは一般的に多く見られるシミの種類を見ていきましょう。
老人性色素班
ほとんどの方に出現しもっとも多いのは「老人性色素班」と呼ばれるシミです。
これは顔をはじめ腕や肩などにも出現し、正式名称は「日光黒子」(にっこうこくし)。
名称からも分かるように、主な発症原因は加齢と紫外線です。
老人性色素班の特徴は以下のとおりです。
- 濃淡や大きさがさまざま
- 輪郭がハッキリしている
- 紫外線に当たりやすい場所にできる
さまざまな形で現れ、加齢とともに濃くなり高齢になると黒っぽくなることもあります。
輪郭がハッキリしているので目立ちやすく、人の目に触れやすい場所に現れることが多いです。
老人性色素班は40代以降の発症が多いですが、紫外線を浴びる機会が多い20代でも現れることがあります。
1度出来てしまうとセルフケアでの改善は難しいので、日焼け止めを塗る、生活習慣を整えるなどの予防がとても大切です。
編集部
肝斑
肝斑とは女性特有のシミとして知られています。
原因は特定されていませんが、妊娠や出産をきっかけに発症することもあり、生理の期間に濃くなることも多いことから女性ホルモンの影響が大きいと考えられています。
また、間違ったスキンケアや紫外線、ストレスによっても出現しやすくなるようです。
肝斑の特徴は以下の通りです。
- 主に目の下や頬骨付近に現れる
- 左右対称に広がっている
- 輪郭がぼんやりしている
主に目の下や頬骨付近に現れ、左右対称に出現するのが大きな特徴です。
肝斑は30~50代の女性に発症することが多く、60歳以降で発症するケースはほとんどありません。
また、閉経を過ぎる頃から自然に薄くなる傾向にあり、完全に消えることもあります。
そばかす
そばかすも「雀卵斑(じゃくらんはん)」と呼ばれるシミの一種です。
これは他のシミとは性質が異なり、遺伝要素が強いという特徴があります。
- 1~4mm程の雀の卵のような模様のシミ
- 幼少期から思春期ごろに現れる
- 春から夏は色が濃くなり秋から冬に薄くなる
そばかすは鼻や頬にかけて小さなシミが散らばったように現れることが多いですが、肩や背中、腕などにも出現することがあります。
多くは、幼児の頃から現れ、思春期を過ぎると薄くなる傾向です。
ただ、年代問わず現れる可能性はありますし、紫外線やホルモンバランス、生活習慣により突然濃くなることもあります。
色素沈着
肌は強いダメージを受ける、または同部位への炎症が繰り返されると色素沈着しシミのように残ることがあります。
主な色素沈着の原因は以下の通りです。
- 悪化したニキビ
- 怪我やヤケド
- 日焼け
- 過剰なスキンケア
傷にできたかさぶたをつい剥がしてしまう、または悪化したニキビをいじってしまう、そんな経験のある方は多いでしょう。
また酷い日焼けを治療せず放置したり、皮を自ら剥いたりという行為も色素沈着の原因になります。
ニキビや怪我など肌に炎症がある場合は触らないことが大原則ですし、酷い日焼けはヤケドなので治療が必要です。
できれば医師による治療を受けましょう。
色素沈着してしまうと元の状態に戻すのは非常に困難です。
自分でいじらず適切な治療をすれば肌の回復が早まりますよ。
編集部
皮膚科で施術できるシミ取りの種類
紹介してきたようにシミには多くの種類がありますが、治療法もさまざま。
ここからはシミ取り治療の種類を見ていきましょう。
レーザー
シミ取りはレーザーの使用が一般的です。
シミの原因となるメラニン色素をレーザー光線で破壊する方法ですね。
シミ取りが皮膚科で保険適用されるか調べる女性
そのレーザー光線ってシミじゃない部分に悪い影響ないの?
ちょっと怖い…
レーザーは異常細胞のみに反応し破壊するので、正常な細胞へのダメージはほとんどありません。
照射するレーザーはシミの種類によって慎重に使い分けられます。
患部に適したレーザー機でなければシミを悪化させてしまうこともあるからです。
編集部
シミ取りレーザーの種類をいくつか紹介しますね。
QスイッチYAGレーザー
まずQスイッチYAGレーザーと呼ばれる機器を紹介します。
QスイッチYAGレーザーは2種類の波長で原因色素にアプローチできるマシンです。
皮膚の表面近く532nmはもちろん、1064nmの深部まで届くレーザーが選択した特定の色素だけに反応し照射します。
これによりシミやホクロ、肝斑やあざの除去まで幅広いシミに効果を発揮します。
また、レーザーの刺激により肌細胞が活性化するため、肌のくすみ改善や毛穴の引き締め効果も期待できます。
ピコレーザー
ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)単位で照射できるレーザーです。
以下のようにシミの原因物質であるメラニン色素を細かく粉砕する点がピコレーザー最大の特徴です。
ピコレーザーは他のレーザー治療より少ない治療回数でシミを除去できるとされています。
これはターゲットとなる色素が細かくなればなるほど体外への排出が安易になるからです。
また、ピコレーザーは熱ではなくピコ秒パルスの衝撃派により色素を粉砕するため、肌へのダメージが少なくダウンタイムが短いという利点もあります。
照射モードを変更すればあらゆる肌トラブルに対応可能。
治療を続ければシミの改善はもちろん、肌のハリ感アップや小ジワ、毛穴開きの改善効果も期待できます。
レーザートーニング
レーザートーニングは原因色素に弱いパワーで照射し、徐々にメラニンを減少させる治療法です。
肌にやさしいレーザー照射は、従来のレーザー治療機ではむずかしいとされる肝斑にも効果的。
肌へのダメージはほとんどなく、施術直後から洗顔やメイクが可能です。
ただし、少しづつアプローチしていくタイプの治療法なので、先の2種類に比べ効果の現れ方もゆるやか。
レーザートーニングは3回目以降から効果を実感することが多いです。
ゆるやかですがしっかりと肌の深部に作用し、コラーゲンの生成も促進されるため、毛穴の開きやキメを整える効果も期待できます。
編集部
光治療(フォトフェイシャル)
フォトフェイシャルはIPLという光エネルギーの照射により肌の活性化を促す治療法です。
肌のターンオーバーを正常化させる作用があるため、シミだけでなくくすみやたるみなど複数の肌悩み改善が期待できます。
レーザー治療はシミのある部分をピンポイントで照射するのに対し、光治療は顔全体に照射できるため広範囲のシミにアプローチ可能。
レーザー治療に比べると作用は穏やかなので時間はかかりますが、そのぶん肌にやさしいという特徴があります。
特定のシミを素早く消したい場合はレーザー治療。
シミを含め複数の肌トラブル改善を目指すならレーザートーニングや光フェイシャルを選ぶと良いですよ。
編集部
薬剤
シミ取りは内服薬や外用薬を組み合わせて進めると、より効果が高まります。
そのためレーザーや光治療と併せて薬剤を処方するクリニックも多いです。
美肌効果を明記する市販薬もありますが、医療機関で処方される薬剤は有効成分の含有量が高く効率的。
また、個々の症状に合った処方を受けられますし、医師に相談しながら服薬または塗布できるので安心です。
それでは内服薬と外用薬の種類と副作用も併せて見ていきましょう。
内服薬
シミ治療に用いられる主な内服薬は以下のとおりです。
薬剤名 | 効果 | 副作用 |
---|---|---|
シナール | ・シミの改善 ・そばかすの改善 ・美肌効果 | ・むかつき ・吐き気 ・下痢 |
トラネキサム酸 | ・シミの改善 ・肝斑の改善 | ・皮膚のかゆみ ・食欲不振 ・吐き気や嘔吐 ・下痢 ・胸やけなど |
ハイチオール | ・色素沈着の改善 ・シミの改善 ・そばかすの改善 | ・便秘 ・胃腸の不快感 ・下痢 ・発疹 |
ユベラ | ・色素沈着の改善 ・美肌効果 | ・むかつき ・下痢 ・口の渇き ・軽度の腹痛 |
上記のシナールはビタミンCとビタミンB5を配合した薬剤で、メラニン色素の生成を抑えると共にコラーゲンの生成を促す効果があります。
また、トラネキサム酸は炎症を抑える作用があり、美白効果が期待できるほか肝斑の治療にも用いられます。
ハイチオールはLシステインを主成分としており、肌の代謝を促進しメラニン色素の生成を抑えるお薬です。
ユベラは新陳代謝を活発にし、原因物質が体外に排出されるのを促すほか抗酸化作用によりシミができにくい肌へと導いてくれます。
ただし、それぞれ肌への作用が期待できる一方で副作用もあり、体質によっては服薬できないこともあります。
外服薬
シミ治療には外用薬との併用も効果的です。
外用薬の種類は下記をご覧ください。
薬剤名 | 効果 | 副作用 |
---|---|---|
ハイドロキノン | ・美白効果、シミ予防 ・メラニン色素の合成を阻止 ・シミ、ニキビ跡、色素沈着の改善 | ・赤み ・炎症 ・白斑 |
トレチノイン | ・皮膚のターンオーバーを促進 ・皮脂の分泌を抑える ・シミ、シワ、ニキビ跡の改善 | ・赤み ・皮剥け ・乾燥感 |
ハイドロキノンはシミの原因であるメラニン色素の生成を抑える作用があり、「お肌の漂白剤」とも呼ばれています。
また、トレチノインは角質を剥がす作用があり、皮膚の再生とコラーゲンの分泌を促し美肌効果も期待できるお薬です。
作用が強いぶん刺激を伴った副作用が出やすいため、使用方法は医師の指示を守り正しく行いましょう。
シミ取りが皮膚科で保険適用されるか調べる女性
どのお薬も副作用があるんですね…
副作用は必ず起こるんですか?
副作用の出かたには個人差があり、全く出ない方も存在します。
いずれも安全性の高いお薬なので、医師の指示を守って正しく使用すれば大丈夫ですよ。
編集部
シミ取りは皮膚科と美容外科どっちがいいのか?違いについて
シミ取りを行うクリニックは数多く、美容外科でも皮膚科、美容皮膚科でも治療できます。
選択肢が多いのはメリットですが、いったいどこが良いのか悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。
ここではそれぞれの違いを解説するので、クリニック選びの参考にしてください。
皮膚科でのシミ取り
シミ取りはその種類を特定することが重要です。
シミの種類によって治療方法が異なりますし、間違ったアプローチによって症状を悪化させてしまうこともあるからですね。
皮膚科、美容皮膚科は肌の構造を熟知した専門家が在籍しています。
そのため診断を誤る可能性は低いと考えて良いでしょう。
また、シミの種類によっては保険適用されるので費用を抑えられる可能性もあります。
ただ、保険適用による治療は使用できるレーザー機器が限られており、使用頻度にも制限があります。
参考サイト:日本レーザー医学会誌公式サイト
最新のレーザー治療や光治療を受けたいなら、美容皮膚科を受診されるとよいでしょう。
複数種類が混在していることも多い顔のシミは、専門機関での治療をおすすめします。
編集部
美容外科でのシミ取り
美容外科でもレーザーや光治療など、美肌治療をおこなう院が多く存在します。
とくに大手クリニックでは美容皮膚科と変わらない最新マシンの取り揃えがあり、多くの施術を受けられるでしょう。
また、シミ取り以外にも見た目の美しさを追求できるメニューが豊富。
双方の比較表は以下の通りです。
項目 | 美容外科 | 皮膚科・美容皮膚科 |
---|---|---|
シミ取り技術 | ||
設備 | ||
費用 | ||
施術の豊富さ |
シミ取りに関していえば皮膚の専門である皮膚科または美容皮膚科への受診をおすすめします。
美容外科はそもそも形成外科であり、美容整形手術を得意とする医療機関です。
皮膚の治療を専門とするクリニックに比べれば、シミの特定や最適な治療法の判断が劣ると考えられます。
また、費用の面でも美容外科で保険診療はほぼありません。
そのため、万が一保険適用できるシミ治療であっても自費となり、余計な費用がかかる場合もあるでしょう。
ただ、シミ治療だけでなく整形も検討されているなら、あちこち通う必要がない美容整形外科が良いかもしれません。
シミ取りは皮膚科もしくは美容皮膚科がおすすめ!
なお、保険診療をしていない美容皮膚科もあるので事前に確認してくださいね。
編集部
シミ取りの費用相場
続いてシミ取りに必要な費用相場を見ていきましょう。
シミ治療は施術とホームケア(服薬、外用薬)を併用することが多いです。
費用は各クリニックばらつきはありますが、おおよその目安を紹介するので予算を考えるうえでの参考にしてくださいね。
レーザー治療でのシミ取り相場
レーザーでのシミ取り相場はシミの状態や施術方法により大きく異なります。
シミ1つの治療と、顔全体に点在するシミの治療ではレーザーの照射回数が違ってくるからですね。
こちらは1回施術を受けた場合の費用相場です。
施術名 | 相場 |
---|---|
ピコレーザー | 10,000〜60,000円 |
QスイッチYagレーザー | 10,000~30,000円 |
レーザーでのシミ治療は1回の照射でも効果が出やすいですが、シミの状態によっては複数回施術を受けることになるかもしれません。
照射する範囲で料金設定しているクリニックが多いため、大きなシミや色の濃いものの場合は高額になる可能性はあります。
小さなシミなら10,000円以下で治療できることも多いですよ。
編集部
光治療でのシミ取り相場
光治療も種類はさまざまありますが、一般的なフォトフェイシャルは各クリニック料金にさほど大きな違いはありません。
フォトフェイシャルの料金相場はおよそ20,000~30,000円。
参考サイト:渋谷高野美容医院公式サイト
1ヶ月に1回程度の施術を継続すればシミはもちろん、あらゆる肌悩みの改善が期待できます。
なお、10,000円以下でフォトフェイシャルを行うクリニックも見られますが、相場程度での治療をおすすめします。
内服薬でのシミ取り相場
現在美肌治療の内服薬は、多くのオンラインクリニックで取り扱っており、簡単に入手可能です。
お薬の服用を始めるのは簡単ですが、実際の施術との併用でより早く高い効果を期待できます。
内服薬には複数種類がありますが、単品料金は1ヶ月30日分で1,000~2,500円程度。
参考サイト:青葉クリニック・スキンシアクリニック・丸の内皮膚科公式サイト
ただ、相乗効果のあるセットで販売するクリニックが多く見られます。
3~5種類程度のセットが多く相場は5,000~7,000円程度で、平均額は6,650円です。
参考サイト:スキンシアクリニック・丸の内皮膚科・湘南美容外科・美容皮膚科タカミクリニック公式サイト
外服薬でのシミ取り相場
外用薬は内容量や有効成分の配合量によってばらつきがあります。
たとえば、聖心美容クリニックでは、N-トレチノインが 0.05%配合された外用薬が、10グラムで8,800円(税込み)ですし、湘南美容外科ではハイドロキノン0.01%のクリームが15グラムで7,150円(税込み)です。
比較的安価な2,000円台の外用薬も見られますが、相場としては5,000~10,000円と考えておきましょう。
ちなみに、以下4院の扱う外用薬の平均額は、8,191円です。
参考サイト:聖心美容クリニック・湘南美容外科・スキンシアクリニック・美容皮膚科タカミクリニック公式サイト
施術別の費用相場をまとめると以下の通りです。
施術名 | 費用相場 |
---|---|
レーザー | ピコレーザー:10,000~60,000円 QスイッチYagレーザー:10,000~30,000円 |
光治療 | フォトフェイシャル:20,000~30,000円 |
内服薬 | セット価格:5,000~7,000円 |
外用薬 | 5,000~10,000円 |
シミの治療であれば長く通う可能性は低く、1回の施術で効果を得られる場合もあるでしょう。
ただ、レーザー費用が10,000円だったとしても、内服薬や外用薬も併せ複合的な治療になることもあるため、最低でも20,000~30,000円程度は必要になると考えられます。
シミ取りが皮膚科で保険適用されるか調べる女性
シミが1つあるだけで老けて見えちゃうから、消したいけど…
けっこう費用がかかりそうですね。
小さなシミを1つ消す程度であれば、10,000円以内で治療可能な院は多くあります。
また、美容皮膚科、美容外科共に展開するキャンペーンや割引サービスを利用すれば案外安く抑えられることも多いです。
編集部
皮膚科でのシミ取り治療で保険適用されるには
シミ取りの相場や治療方法を説明してきましたが、シミ取りが保険適用されるのはどのような場合なのでしょうか。
保険適用なら3割負担で済むので費用を抑えられますし、できれば保険を使いたいですよね。
それでは保険適用されるシミ取りについて説明します。
シミ取り治療が保険適用されるパターン
保険適用でのシミ治療は皮膚疾患と認められたシミに限られます。
紫外線やホルモンバランス、加齢によって出現したシミは保険適用されません。
保険を使ってシミ取り治療を受けられるのは以下の場合です。
- 日常生活に支障のあるシミの場合
- 皮膚疾患と認められたシミの場合
皮膚疾患と認められる代表的な皮膚疾患とは以下の4種類。
扁平母斑 (へんぺいぼはん) | 数ミリから数センチのさまざまな部位に現れる茶色い色素斑で、生まれつきまたは幼児期に発症することが多い。 |
---|---|
太田母斑 (おおたぼはん) | 主に顔の片側に現れる青アザの一種で、生まれつきの場合もあるが大人になって発症することもある。 |
異所性蒙古斑 (いしょせいもうこはん) | 赤ちゃんのお尻などに見られる青アザで、お尻ではなく他の部位に出現し大人になっても消えないもの。 |
外傷性色素沈着 | 事故やケガなどで傷口から異物が侵入し、皮膚内に異物が残ったまま傷口が閉じて起こる色素沈着。 |
上記の皮膚疾患が先天的なものなら自分で判断がつくかもしれませんが、後天的に出現する種類もあります。
保険適用になるシミかどうかの判断はむずかしいため、医師の診断を受けてくださいね。
編集部
美容目的か医療目的かの違い
シミ取りに保険が適用されるのはあくまでも、疾患を治療する場合に限られます。
これは公的な健康保険が美容目的の治療を認めていないためです。
顔に出現したシミが悩みの種だとしても、そのシミが皮膚疾患と認められていないなら美容目的とみなされ保険は適用されません。
- 医療目的・・・保険適用可
- 美容目的・・・保険適用不可
後天的に現れるシミのほとんどは保険で治療できる種類ではないので、全額自費と考えてください。
ただ、保険適用での治療は費用を抑えられるものの治療法が限られており、不満が残る可能性はあります。
一方美容目的なら全額自費ですが、さまざまな治療法を選べるというメリットがあると言えるでしょう。
シミ取り治療の注意点
シミは普段からの紫外線対策や生活習慣を整えれば、ある程度防げます。
そして出来てしまったシミは、レーザーやフォトフェイシャルなどにより治療可能。
ただし、施術後のケアを怠ればかえってシミを悪化させてしまうこともあります。
ここからはシミ取り後に気を付けるべきことを説明しますね。
ダウンタイム
そもそも美肌治療は、肌にわざと傷や熱を加え皮膚の創傷治癒力を利用するものです。
そのため施術直後は腫れや赤みが現れ、肌が回復するまでの期間が生じます。
この期間のことをダウンタイムといいます。
シミ取り後のダウンタイム期間や注意点を説明しますね。
シミ取り治療のダウンタイム期間
シミ取りをした際のダウンタイムの期間は下記のとおりです。
施術名 | ダウンタイム |
---|---|
光治療(フォトフェイシャル) | 2~3日程度 |
ピコレーザー | 1週間前後 |
QスイッチYAGレーザー | 1~2週間 |
今回紹介した光治療(フォトフェイシャル)は、美肌施術のなかでも肌にやさしい治療法として知られています。
ダウンタイムはほぼないと言われていますが、施術直後の炎症が2~3日続く方も見られるようです。
また、ピコレーザーの場合は照射モードにもよりますが、およそ1週間程度と考えておきましょう。
QスイッチYAGレーザーになると少し長めで1~2週間くらいです。
ダウンタイムの期間は個々の体質や体調などにより異なります。
あくまで目安と捉えてくださいね。
編集部
ダウンタイム中に気をつけること
シミ取り施術の効果を実感するためには、ダウンタイム中の過ごし方がとても大切。
施術後の肌は回復途中で、さまざまな刺激を受けやすい状態にあるからです。
そのため紫外線対策はもちろん、いつも以上の保湿が必要です。
また、肌に負担のかかる以下のようなお手入れも厳禁。
- スクラブ洗顔
- 顔ぞり
- マッサージ
- 刺激のあるスキンケア
施術後の刺激や乾燥、日焼けは炎症を引き起こす可能性が高く、かえってシミが増えてしまうことになりかねません。
外出するときは帽子や日傘、日焼け止めクリーム、飲む日焼け止めなどを利用して紫外線を避けてください。
また、刺激の強い薬剤を使用する毛染めやパーマもダウンタイム期間は避けた方が良いでしょう。
シミ取り後の丁寧なアフターケアによって効果が高まり、ダウンタイムの短縮にもつながります。
繰り返しますが、紫外線対策、保湿、そして洗顔のときもゴシゴシしないように気をつけましょうね。
編集部
副作用
ではダウンタイム中はどんな症状が現れるのでしょうか。
シミ取り後に起こる副作用の症状とは下記の通りです。
施術名 | ダウンタイム | 副作用 |
---|---|---|
光治療(フォトフェイシャル) | 2~3日程度 | 赤み・腫れ |
ピコレーザー | 1週間前後 | 痛み・赤み・腫れ・ヒリヒリ感 |
QスイッチYAGレーザー | 1~2週間 | 痛み・赤み・腫れ・ヒリヒリ感 |
いずれの施術も赤みや腫れなどの症状が多く、レーザーの場合は熱感やヒリヒリ感を伴うこともあります。
ダウンタイム中の症状は施術当日から翌日あたりがピークで、その後徐々に治まります。
また、小さなかさぶたができることもありますが、放っておけばキレイに剥がれます。
無理やり剥がすと肌トラブルに発展する可能性が高いので、触らずにひたすら優しく保湿を続けましょう。
なお、施術後1ヶ月程度でシミが濃くなることがありますが、これは炎症後色素沈着と呼ばれており、施術部位の修復過程で現れる症状です。
徐々に薄くなるので、安心してください。
ただし、稀に色素沈着を起こしていることもあるため、気になる症状が現れたときは医師への相談をおすすめします。
編集部
シミ取り治療ができない人もいる
シミ取りの相場やリスクも理解した上で、治療を受けたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
ですが、以下に当てはまる方は、光治療やレーザー治療を断られることもあります。
- 妊娠している
- 日焼けしている
- 紫外線アレルギー
- 糖尿病や高血圧
- アルコール中毒
- ケロイド体質
また、内服薬も血栓症や腎不全の方、妊娠中の方などは服用できません。
ただ、美肌治療には多くの種類があるので、他の施術を提案されることもあるでしょう。
1度クリニックに相談してみることをおすすめします。
皮膚科でのシミ取り治療に関するQ&A
ここからは皮膚科でシミ治療をするときの疑問とその回答を2件紹介します。
どちらも保険適用に関する内容ですので、参考にしてくださいね。
保険適用外のシミ取り治療を受けた後で保険適用される可能性はある?
Q
保険適用外のシミ取り治療を受けた後で保険適用される可能性はある?
A
皮膚疾患ではないと診断され、保険適用外の治療を受けたのに実は保険が使える皮膚疾患だったのであれば自費と3割負担の差額分を払い戻してもらえる可能性はあります。
そのためには診断ならびに施術を担当した医師に誤診を認めてもらわなければなりません。
他医院で皮膚疾患と診断され誤診が判明したのなら、その事実を伝えましょう。
参考サイト:健康保険組合連合会公式サイト
また、治療を行うなかで医師が自ら誤診に気付き、改めて診断されるケースもあるかもしれません。
その場合もそれまでの費用については医師への交渉が必要なので、診断し施術を担当した医師に問い合わせてください。
皮膚科でシミ取りが保険適用される場合の料金は?
Q
皮膚科でシミ取りが保険適用される場合の料金は?
A
保険適用での治療が認められている皮膚疾患は非常に限定的です。
ごく一部の皮膚疾患に限られますが、診断されれば費用は3割負担で済みます。
保険適用の場合でも範囲によって金額が異なりますが、仮に太田母斑だった場合、1カ所の治療費目安は7,000~12,000円(3割負担額)と考えておくとよいでしょう。
これは施術費用のみの金額目安なので、診察料なども追加されると考えて下さい。
ただ、皮膚科で使用するマシンや薬剤には制限があるので、それ以上の治療を望む場合は全額自費となります。
皮膚科でのシミ取り治療が保険適用されるかのまとめ
今回はシミ取りと保険適用を中心に解説しました。
紫外線やホルモンバランス、生活習慣が原因のシミは保険適用にならず、保険を使って治療できるのはほんの一部です。
保険が適用されるのは治療目的の場合のみ!
保険適用・・・治療目的のシミ取り
保険適用外・・美容目的のシミ取り
健康保険に認められた皮膚疾患でない限りは、自費での治療となります。
シミ取り治療の相場は、自費で最低でも20,000~30,000円。
ただ、小さなシミなら10,000円以内で消せることも多いです。
できてしまったものは仕方ないと放置している方もいらっしゃるでしょう。
ですが、シミの中には悪性となる種類も存在します。
シミの治療は肌の健康を管理するだけでなく、美しい肌を取り戻し心の健康にも繋がります。
もしあなたが今シミでお悩みなら、治療を検討してみてはいかがでしょうか。