「あれ、肌がピリピリする…」「赤みが出てきた…」
スキンケア成分の王様とも言われるレチノールを使ってみたものの、肌に合わないと感じた方もいるのではないでしょうか?
レチノールは、ビタミンAの一種であり、私たちの皮膚や粘膜、細胞を維持するうえで不可欠な成分です。
最近では、レチノールが配合されたスキンケア商品がたくさん発売されています。
優れた美容作用を持つレチノールですが、強い成分であるため、皮向けや赤みといった副反応「A反応(レチノイド反応)」が出る場合もあります。

編集部
今回は、レチノールが合わない人の特徴と、代わりに使える成分について詳しく解説します。
目次
レチノールとは?効果と副作用を知ろう

ユーザー
レチノールって聞いたことあるけど…
どんな効果があるんだろう?
ここでは、レチノールの主な効果と副作用について解説します。
レチノールの主な効果
レチノールは、肌が自ら生成できないビタミンAの一種で、私たちの皮膚や粘膜、細胞を維持するうえで不可欠な成分です。
ビタミンAは肌の健康に重要な役割を果たし、レチノールはその中でも特に効果的とされており、スキンケア成分としてのレチノールには、主に以下のような効果が期待できます。
- コラーゲンの生成促進:皮膚の弾力やハリを保ち、シワやたるみを改善
- ターンオーバーの促進:肌の新陳代謝を促し、色素沈着やくすみを改善
- 抗酸化作用:活性酸素による肌のダメージを防ぎ、老化を予防
- 皮脂量のコントロール:過剰な皮脂分泌を抑え、ニキビや肌荒れを予防
レチノールの副作用「A反応」とは
レチノールはその高い効果の一方で、「A反応」または「レチノイド反応」と呼ばれる副作用が現れることがあります。
これはビタミンAが不足している肌にレチノールを使い始めると、肌のターンオーバーが急激に促進されることで起こる症状です。
A反応の主な症状には以下のようなものがあります。
- 赤みやかぶれ
- 乾燥や皮むけ
- 細かいブツブツやニキビ
- ヒリヒリとした痛みやかゆみ
A反応は個人差がありますが、一般的には数日から1週間、長くても3~6週間程度で落ち着くとされています。
しかし、症状が強かったり、長引いたりする場合は、単なるA反応ではなく、肌に合っていない可能性があります。
レチノールが肌に与える影響
レチノールは肌のバリア機能を一時的に低下させることがあります。
これにより、外部からの刺激を受けやすくなり、敏感になった肌はさらに乾燥しやすくなるという悪循環に陥ることも。
レチノールは使用濃度によっても効果と副作用のバランスが変わってきます。レチノールの濃度が高いほど効果は高まりますが、その分A反応も強く出やすくなります。
特に海外製品は濃度が高いものが多いため注意が必要です。
レチノールが合わない人の特徴

ユーザー
レチノールが合わない人ってどんな肌質の人なの?
敏感肌・乾燥肌の人
レチノールが合わない人の中で特に多いのが敏感肌の人です。
レチノールは強力なビタミンA誘導体であり、肌への刺激が大きいため、敏感肌の人にとっては副作用が出やすい成分です。
例えば、レチノール美容液を使うとピリピリとした刺激感や赤みが出ることがあります。
また、肌の水分と油分のバランスが崩れ、バリア機能が低下している乾燥肌・敏感肌の人にA反応が現れやすい傾向があります。
乾燥肌や敏感肌ではなくても、疲れや体調不良などで肌のターンオーバーが乱れている時や、花粉症の症状が出て免疫力が低下している時も起こりやすいと言われています。
皮膚炎や酒さ(赤ら顔)などの症状がある人
皮膚炎を発症し赤みやかゆみなどが出ている場合にも、レチノールを含むスキンケアアイテムを使用することで強い副作用が出て、症状を悪化させるおそれがあります。
特に酒さ(赤ら顔)や乾癬がある人や、皮膚炎を起こしやすい人にはレチノールは向かないという専門家の意見もあります。
妊娠中・授乳中の人
レチノールは妊娠中や授乳中の使用は安全ではないとされています。
これはレチノールが体内に吸収され、胎児の発育に影響を与える可能性があるためです。妊娠を計画している場合も、事前にレチノール製品の使用を中止することが推奨されています。
レチノールが合わない兆候の見分け方
レチノールを使用して以下のような症状が現れた場合、あなたの肌はレチノールと相性が良くない可能性があります。
- 使用後に強い刺激感や痛みを感じる
- 赤みや腫れが長期間(1週間以上)続く
- 皮むけやかゆみが改善しない
- ニキビや吹き出物が増える
A反応は一時的なものですが、これらの症状が長引く場合は使用を中止し、皮膚科医に相談することをおすすめします。
レチノールの代わりになる2つの成分

編集部
ここでは、レチノールの代わりになる成分を2つご紹介します。
レチノールが合わない肌質の方はチェックしてくださいね!
バクチオール
バクチオールとは?植物由来の新型レチノール
バクチオールは、「オランダビユ(Babchi)」とよばれるマメ科の植物から抽出される成分です。
古くから漢方薬として使用されてきました。
レチノールと似た効果があることから「新型レチノール」や「植物性レチノール」とも呼ばれています。
バクチオールの効果とレチノールとの違い
バクチオールはレチノールと同様に以下のような効果が期待できます。
- 肌のハリや弾力を向上させる
- シワやシミを予防・改善する
- 肌荒れやニキビを予防・改善する
しかし、レチノールとバクチオールには以下のような違いがあります。
- 刺激の違い
バクチオールはレチノールよりも肌への刺激が少なく、「A反応」のような副作用はほとんど見られません。そのため、敏感肌の方でも比較的安心して使用できます。 - 安定性の違い
レチノールは熱や紫外線、酸化などに弱く不安定な成分ですが、バクチオールは比較的安定しています。そのため、日中の使用も可能です。 - 使用可能な人の範囲
バクチオールはレチノールとは異なり、妊娠中や授乳中の方も使用できるとされています。また、敏感肌の方や以前にレチノールで肌トラブルを経験した方にも適しています。
バクチオールの使い方と注意点
バクチオールを含む製品は、通常の化粧水や美容液と同じように使用できます。
朝晩どちらでも使用可能ですが、特に夜のスキンケアに取り入れると効果的です。
- 効果はレチノールよりもマイルドなため、即効性を期待せず継続して使用することが大切です
- 初めて使用する場合は、パッチテストを行ってから使用するのが安心です
- 個人差はありますが、他の美容成分(ビタミンCなど)との併用も可能です
ナイアシンアミド
ナイアシンアミドとは?低刺激のマルチ美容成分
ナイアシンアミドはビタミンB3の一種で、水溶性の美容成分です。
肌に浸透しやすく、様々な肌悩みにアプローチできる「マルチプレーヤー」として注目を集めています。
レチノールと比較して肌への刺激が少なく、敏感肌の方にも使いやすいのが特徴です。
ナイアシンアミドの効果とレチノールとの違い
ナイアシンアミドには以下のような効果が期待できます。
- メラニンの生成を抑えてシミを防ぐ
- 真皮のコラーゲン生成を促してシワを改善する
- 肌のバリア機能を強化する
- 皮脂の分泌をコントロールする
- 毛穴を引き締める
レチノールとナイアシンアミドの主な違いは以下の通りです。
- 刺激の違い
ナイアシンアミドはレチノールよりも刺激が少なく、敏感肌や乾燥肌の方でも使いやすい成分です。レチノールのようなA反応も起こりません。 - 作用の違い
ナイアシンアミドはレチノールより作用がおだやかですが、肌のバリア機能を強化する効果があるため、肌環境を整える面では優れています。 - 使用シーンの違い
ナイアシンアミドは朝晩いつでも使用可能で、紫外線の影響も受けにくいため、使用タイミングを気にせず取り入れやすい成分です。
ナイアシンアミドの使い方と注意点
ナイアシンアミドは単体の美容液や、化粧水、クリームなど様々な形態で販売されています。
濃度は2%~10%程度のものが一般的ですが、初めて使う場合は低濃度から始めるのがおすすめです。
- 基本的に刺激は少ないですが、高濃度(10%以上)のものは肌に合わない場合もあります
- まれにアレルギー反応を起こす方もいるため、初めて使う際はパッチテストを行いましょう
- レチノールと併用する場合は、ナイアシンアミドを先に塗ることでレチノールの刺激を軽減できます
レチノールと代替成分の比較表
レチノールと代替成分とを、「効果」、「刺激性」、「使いやすさ」の3つの観点から比較しました。
自分の肌質に合ったスキンケア選びの参考にしてください。
効果の比較
以下の表で各成分の主な効果を比較してみましょう。
| 効果 | レチノール | バクチオール | ナイアシンアミド |
|---|---|---|---|
| シワ改善 | ◎ | ○ | ○ |
| シミ予防 | ◎ | ○ | ◎ |
| 毛穴ケア | ◎ | ○ | ◎ |
| 肌のキメ改善 | ◎ | ◎ | ○ |
| 肌のハリ向上 | ◎ | ○ | ○ |
| 保湿効果 | △ | ○ | ◎ |
| バリア機能強化 | △ | ○ | ◎ |
◎:効果が高い ○:効果がある △:効果は限定的
刺激性の比較
それぞれの成分の肌への刺激性を比較します。
| 項目 | レチノール | バクチオール | ナイアシンアミド |
|---|---|---|---|
| 刺激の強さ | 強い | 弱い | 弱い |
| A反応の有無 | あり | なし | なし |
| 敏感肌への適合性 | △ | ○ | ◎ |
| 乾燥肌への適合性 | △ | ○ | ◎ |
◎:非常に適している ○:適している △:場合によっては合わない
使いやすさの比較
各成分の使いやすさについて比較します。
| 項目 | レチノール | バクチオール | ナイアシンアミド |
|---|---|---|---|
| 朝の使用 | △ | ◎ | ◎ |
| 夜の使用 | ◎ | ◎ | ◎ |
| 他の成分との併用 | △ | ◎ | ◎ |
| 妊娠中・授乳中の使用 | × | ○ | ○ |
◎:非常に適している ○:適している △:条件付きで使用可能 ×:使用不可
まとめ|自分に合った美容成分を見つけよう
レチノールは確かに効果の高い美容成分ですが、すべての人に合うわけではありません。
特に敏感肌や乾燥肌の方、皮膚炎などの症状がある方、妊娠中・授乳中の方はレチノールが合わない可能性が高いでしょう。
そんな方々には、今回ご紹介した2つの代替成分がおすすめです。
- バクチオール:植物由来の新型レチノールとして、刺激が少なく安定性が高い
- ナイアシンアミド:低刺激でマルチな効果を持ち、様々な肌質の方に使いやすい
自分の肌質や悩みに合った成分を選ぶことで、肌トラブルを避けながら効果的なスキンケアが可能になります。初めて使う場合はパッチテストを行い、少量から始めるのがおすすめです。
また、どの成分を選ぶにしても、基本的なスキンケアである「保湿」と「紫外線対策」を怠らないことが大切です。肌に優しいケアを続けながら、自分に合った美容成分でエイジングケアを楽しみましょう。

編集部
肌に合った成分で優しくケアしましょう!