アフターピルって副作用あるのかな?
いつ飲むのが効果的なのかも気になる…
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
避妊の最終手段ともいえるアフターピルですが、服用方法や飲んだあとのことも気になりますよね。
そこで今回は、アフターピルの基本情報に加え副作用の主な症状、また副作用への対処法や避妊確率など、アフターピルを飲んだあとのことについても詳しく解説します。
編集部
本記事をきっかけに緊急避妊薬「アフターピル」を深く知ってくださいね。
目次
アフターピルとは
アフターピルとは、望まない妊娠を回避するための緊急避妊薬です。
- 避妊をせずに性交してしまった
- 避妊具が破れてしまった
- 低用量ピルを飲み忘れている
- 性被害に遭った
このようなとき、アフターピルを飲むことによってかなりの確率で妊娠を防ぐことができます。
また、アフターピルの服用は、妊娠したかもしれないと悩む時間の短縮、または人工中絶による体への負担を避けられる方法でもあります。
ただし、性交のあとどれだけ早く服用できるかが、重要なポイント。
そのため、できるだけスムーズに入手できる方法を知っておくことが非常に大切となります。
ここで、
そもそもアフターピルはどこで手に入るの?
このような疑問もあるでしょう。
編集部
アフターピルはほとんどの婦人科、産婦人科で取り扱われており、受診すれば処方してもらえます。
また、現在オンラインでアフターピルを処方してくれるクリニックも多く、自宅にいながら受診できポストまで届けてもらえます。
もしも家族に知られたくない場合は、調剤薬局を指定することもできるので、薬局へもらいに行く方法をとるとよいでしょう。
オンライン受診の場合の指定が可能な薬局は、下記からご確認ください。
参照:厚生労働省オンライン診療に係る緊急避妊薬の調剤が対応可能な薬局及び薬剤師の一覧
このなかでアフターピルを最速で手に入れられる方法は、産婦人科や婦人科を受診して処方してもらうことです。
しかし、日曜祭日や夜間は受診することはできず、服用が遅れてしまう可能性もあります。
そのため、いつでも受診できるオンラインクリニックをあらかじめチェックしておくことも大切と言えるでしょう。
編集部
加えて、ここで1つ注意点を挙げるとすれば、オンラインストアでの購入は避けることです。
オンラインストアのアフターピルは、医療機関で処方される場合に比べると安価なことがほとんどです。
しかし、内容成分の保証はありませんし、偽物が販売されていることも少なくありません。
このような場合、避妊効果を得られないばかりか、何らかの健康被害を招く可能性も十分考えられます。
そのため、載せられている口コミなどを安易に信用せず、安全な購入方法を選びましょう。
アフターピルの効果
そもそも緊急避妊薬、アフターピルはどのようにして妊娠を防ぐのでしょうか。
編集部
まずは妊娠のしくみについて少し触れておきます。
女性の卵巣からは周期的に卵子を含む卵胞が放出されます。
これが排卵であり「排卵日」または「危険日」とも呼ばれる妊娠しやすい状態のときです。
放出された卵胞は卵管にとどまり、精子との出会いを待ちます。
一方膣内に放出された精子は、子宮から卵管へと進み卵胞と融合(受精)したのち、子宮内に戻って着床することで妊娠成立です。
このように妊娠は「排卵」「受精」「着床」という過程を経て成立しますが、アフターピルは以下のはたらきで妊娠を防ぎます。
- 排卵前の状態であれば排卵を抑える
- 排卵後の状態であれば受精卵の着床を抑える
アフターピルには排卵を抑えるまたは遅らせる作用があるため、精子と卵子が出会う確率を大幅に下げてくれます。
また、排卵日付近の子宮は内膜を分厚くふかふかにして受精卵が着床しやすいよう変化しますが、アフターピルには子宮内膜を薄く削り受精卵の着床を阻害するはたらきもあります。
これらのはたらきにより、排卵の前でも後でも妊娠を防ぐことができるのです。
ただし、性行為のタイミングが排卵日に近ければ、妊娠に至ってしまう可能性はありますし、性交からアフターピルを服用するまでの時間によっても避妊の成功率は変わります。
アフターピルを正しく服用すれば高い確率で妊娠を防ぎますが、決して100パーセントではないということは理解しておきましょう。
アフターピルの種類
アフターピルには大きくわけて「ノルレボ」と「エラワン」2つの種類があります。
それぞれの特徴は下記をご覧ください。
薬剤名 | 特徴 |
---|---|
ノルレボ ※ジェネリック薬品 レボノルゲストレル | 世界保健機関の必須医薬品のひとつで、 日本で初めて承認を受けたアフターピル。 安全性が高く副作用も少ないことから 多くの医療機関で取り扱われており、 一部の薬局で処方箋なしの販売が開始されています。 |
エラワン ※ジェネリック薬品 エラ | 国内ではまだ承認を受けていませんが、 WHO(世界保健機関)で推奨されているアフターピル。 海外では一般的なアフターピルとして使用されており、 安全性や効果に定評があります。 |
日本国内では、唯一承認を受けている「ノルレボ」やそのジェネリック薬品である「レボノルゲストレル」が主流です。
一方「エラワン」は、海外の薬局では手軽に入手できる非常にポピュラーなアフターピルですが、日本は規制が厳しく認可が下りていません。
ただ、「エラワン」そして「エラ」はノルレボに勝る避妊効果や適応範囲の広さから、厚生省の正式なプロセスを経て輸入し、処方してくれるクリニックも多く存在します。
ただし「エラワン」「エラ」は、日本では未承認のアフターピル。
仮に副作用等が強く出たとき、処方してくれたクリニックからのアフターフォローは得られるかもしれませんが、医薬品副作用被害救済制度は適応されないことは理解しておきましょう。
このほか、日本で古くから用いられるヤッペ法という避妊方法もあります。
ヤッペ法では、月経困難症や生理移動などに使われる「プラノバール」という中用量ピルを用いて避妊をおこないますが、「ノルレボ」や「エラワン」に比べて効果が薄いうえに副作用も強い傾向にあります。
そのため、現在ヤッペ法を用いるクリニックはごくわずか。
高い避妊効果を望むのであれば、中用量ピルによるヤッペ法ではなくアフターピルを処方してくれる医療機関を選ぶことが賢明といえるでしょう。
アフターピルで効果が出る時間
ここからは、アフターピルの効果を発揮できる時間について解説してきます。
- ノルレボ・レボノルゲストレル:72時間以内に服用(3日以内)避妊成功率:約97パーセント
- エラワン・エラ:120時間以内に服用(5日以内)避妊成功率:98.9パーセント
「ノルレボ」「エラワン」ともに上記の時間制限内であれば、100パーセントに近い確率で避妊効果を望めます。
性交からの時間経過と共に推移する避妊成功率は以下をご覧ください。
薬剤名 | 性交から服用するまでの時間と避妊効果 |
---|---|
ノルレボ ※ジェネリック薬品 レボノルゲストレル・マドンナ | 24時間以内:99パーセント 48時間以内:98パーセント 72時間以内:97パーセント 72時間以降:75パーセント |
エラワン ※ジェネリック薬品 エラ | 72時間以内:99パーセント 72~120時間以内:98.9パーセント 120時間以降:75パーセント |
見てのとおり、アフターピルの避妊成功確率は、性交から服用までの時間が早ければ早いほど高いのがお分かりでしょう。
また、2種類のアフターピルともに推奨される時間を少々過ぎたくらいなら、まだ妊娠を防げる可能性はあります。
日にちが過ぎてしまったからもうダメだ…と諦めてしまうのではなく、アフターピルを試す価値はあります。
編集部
一方で、〇日以内に病院を受診すれば大丈夫でしょ?とのんびりしている場合もあるようですが、これはよくありません。
卵胞が排卵する前に、そして受精卵が着床する前に、子宮内を妊娠しづらい環境にしておくことがなにより大切です。
のんびりしているあいだに受精卵が着床すれば、アフターピルを服用したところでもう妊娠を止めることはできません。
俗にいう「タッチの差」で避妊できるかどうか決まってしまうため、アフターピルは性交から一刻も早い服用が求められます。
しかし、3週間経っても月経がこないときは、妊娠の可能性を考えて妊娠の検査をしましょう。
アフターピルの副作用
アフターピルを飲んだあとの副作用はつらい?
このような不安もあるでしょう。
前項で紹介した2種類のアフターピルはともに、からだにやさしく副作用を抑えられるよう開発された薬剤です。
そのため、まったく症状が出ない人も多く見られます。
一方で急激なホルモンバランスの変化により、生理痛に似た副作用が出現する場合もあります。
アフターピルのおもな副作用の症状と出現割合は下記のとおりです。
副作用の症状 | 出現割合 |
---|---|
不正出血 | 31.3パーセント |
悪心(吐き気) | 13.9パーセント |
下腹部痛 | 13.5パーセント |
頭痛 | 10.4パーセント |
めまい | 9.7パーセント |
アフターピルは受精卵の着床阻害を目的として子宮内膜を薄く削る特性を持つため、この作用による出血が10人のうち3人の割合で見られます。
不正出血に関してはアフターピルが作用している証拠とも言えます。
しかし、血の色や量によっては他の疾患の可能性も考えられるため、出血時の状況を医師に伝えておくと安心です。
そのほか、頭痛や下腹部痛、めまいなどホルモンバランスの乱れによる症状を伴うこともあります。
多くの副作用は特に心配する必要はないと言えますが、注意しなければならない症状を挙げるとすれば、悪心(吐き気)です。
アフターピルの服用から2~3時間以内に吐き戻してしまったときは、薬の成分が十分吸収されておらず効果を得られない可能性もあります。
その場合は、もう一度アフターピルの服用が必要になるため、担当医に相談しましょう。
アフターピルの副作用はいつから出る?
アフターピルの副作用は、いつから出てどのくらい続くんだろう…という不安もあるかと思います。
アフターピルの成分は、服用したあと2~3時間で体に吸収され効果や副作用が現れ始めます。
もし前項でお伝えしたような症状が現れたとしても、24時間以内に治まることがほとんどです。
このとき過度に疲労を覚える作業やストレスは、症状を悪化させ症状を長引かせる可能性もあります。
そのため、アフターピルを飲んだ日は無理をせず、ゆっくりと体を休めてください。
アフターピルの副作用の対処法
アフターピルの副作用は24時間以内におさまる場合がほとんど。
しかし、少しでもその症状は軽く済ませたいですよね。
ここからはアフターピルの副作用を軽減する方法を3つ紹介します。
- アフターピルは食後に服用する
- 市販薬を飲む
- アフターピルと副作用の薬を一緒に処方してもらう
アフターピルは空腹時ではなく、食事のあと服用すれば副作用の症状を軽減することができます。
また、副作用だから仕方ないと我慢する必要はなく、市販の吐き気止めや痛み止めを飲んでも問題ありません。
注意点としては、市販薬の場合は服用OKですがアフターピルを処方してもらった病院とは別の医院で処方された薬の場合は担当医に相談し薬の相性を確認してください。
できれば副作用の薬もアフターピルと一緒に処方してもらうのが安心といえるでしょう。
アフターピルの正しい飲み方
最後にアフターピルの飲み方ですが、アフターピルは一般的な内服薬と同じように水で飲むようにしましょう。
水以外の炭酸飲料やコーヒー、アルコールなどと一緒に服用すると、薬の効果に影響を与える可能性があるからですね。
また、アフターピルを繰り返し飲んでも大丈夫?といった疑問もあるでしょう。
妊娠を防ぐことはできたかな…という不安から、さらにアフターピルを飲もうと考える方もいらっしゃるようです。
しかし、避妊の成功を確認する前にアフターピルを追加しても、避妊効果は変わりません。
アフターピルは1回の避妊につき1錠だけにとどめておきましょう。
その一方で、アフターピルに頼り無防備な性交を繰り返しおこなう場合もあるようです。
アフターピルの主成分は黄体ホルモンという女性ホルモンであり、繰り返しの服用によりホルモンバランスが乱れ心身に悪影響を及ぼす可能性もあります。
そのため、アフターピルの乱用はおすすめできません。
もしも継続的な避妊を望むのであれば、低用量ピルの服用を検討してみてください。
まとめ
今回はアフターピルの副作用について詳しく解説しました。
まさにいま、副作用が不安で服用を迷っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし副作用に関して過度な心配は必要なく、とにかく一刻も早い服用が先決ということはおわかりいただけたのではないでしょうか。
そして現在のところ必要ない方も、万が一のとき慌てないためにアフターピルの確実な入手先を調べておくことをおすすめします。
編集部
そしてできれば、ヒヤッとして慌ててアフターピルを飲まなくても済むよう、ぜひ低用量ピルの服用を検討してみてくださいね。